ヴィヴィアン・マイヤーの写真集です。
映画に感化されて、買ってみました。
本人は、撮った写真を発表しないまま亡くなっていますので、作品を発見しチョイス(ものによっては現像から)した、ジョン・マルーフ氏との共作と言えますね。
バッハの膨大な譜面の中から、それほど有名ではない曲を、グールドみたいな現代の音楽家が最高の演奏で世に出して、一躍脚光を浴びる、ああいうかんじですかね。
ちょっと違うか。笑
一見して感じるのは、技術以前に(良い写真家は皆そうですが)、被写体の前に立つ能力が高いということですね。
その場に居合わせる能力、そこで撮ってても許される能力、適切な距離に立つ能力、などなど。
これは人間相手の場合、天性のものが大きいと思います。
知性も必要でしょう。
ただのバカがこれをやると、しょっちゅう胸ぐら掴まれて青タンつくるはめになる。笑
そして、なんといっても畏怖するのは、このクォリティの写真を、誰にも見せず、生涯延々と撮影し続けていた事実です。
はっきり言って、こんな人間には、誰も勝てませんよ。
休日に公園でベンチの写真を一枚撮るにしても、ヴィヴィアン・マイヤーのような人間がいたことを、心の片隅に置いておくのは無駄ではないと思います。